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経営者がしておきたいリスクマネジメントとは?

この記事では、北海道帯広市最大級の三井住友海上代理店・保険業40年のほけんの十勝の保険アドバイザーが、企業が抱える潜在的なリスクとその対策法(リスクマネジメント)について解説していきます。
ほけんの十勝

企業を経営していると収支の管理がありますよね。ざっくり言うと、収入と支出(経費)なるものです。日常的にそれらの管理は行われると思いますので、日々計算して・対策やアンテナを立てながら経営されていくものです。

しかし、その収支管理と同じくらい企業経営において決して忘れてはいけないことがあります。それは、想定外の出費になります。なぜなら、この想定外の出費を想定せずに企業を運営していくのは大変危険な行為だと言えるからです。

企業における想定外とは?

企業における想定外とは?

経営において「想定外の状態」とは、どんな事業形態にも突如として起こります。むしろ、突如として起こるからこそ「想定外」とも言えます。いざその状況になった際、準備や対策が出来ていないのは大変無防備であり危険な状況だといえます。

この想定外により起こりうる最悪の事態のひとつに「倒産」があります。倒産による影響は甚大で、自分一人では収まらず、従業員とその家族、企業を利用しているユーザーに至るまで、多方面で影響を及ぼしていきます。

その状況で一番の解決方法でありながら、難しい対応方法と言えるのが、お金での対応です。その金額が数億円クラスとなってくると、とてもじゃないですが対応するのは不可能になってきます。暗い話ですが破産申告をする他道はありません。

想定外に備える保険

そんな状況を打開できる唯一の方法といっても過言ではないのが、なんと言っても保険になります。保険は個人だけでなく、法人にも適用でき、加入しておくことで個人では支払いできないような金額でもきちんと対応することができます。

これら想定外の数多くのリスクを洗い出し、どのように対処するのか考え、想定外の出費を考えながら経営する事リスクマネジメントといい、それは経営者にとって日々の売り上げ管理だけにとどまらない必須の対策事項と言えます。

私たち保険のセールスパーソンは、プロの目線でその企業に起こりうるリスクを可視化させ、安心して経営できるようにお手伝いをしています。

企業におけるリスク

経営するにあたってリスクは、業種を問わず大なり小なりあるものです。例えば以下のような形です。

企業をとりまくリスクマップ
人的
リスク
セクハラ・パワハラなどの人事的リスク
役員の不祥事などによる総務的リスク
求人難・うつ病などによる人的損失
経営
リスク
医療高騰・為替変動などの経済リスク
設備投資の失敗などによる経済リスク
財物
リスク
地震・洪水・落雷などの自然災害
火災などの偶発的事故
交通事故・労災などの人為的ミス
通信途絶・データ消失などの情報システム障害
賠償責任
リスク
PL法による製造物責任訴訟
権利侵害などの知的財産権訴訟
公害などの環境汚染責任の発生
具体的なリスク
飲食店での食中毒や異物混入
土木建築業での従業員の怪我
小売業での顧客情報の漏洩
従業員が労災事故を起こしてその家族から賠償を請求された
業務が原因で従業員が精神を病んでしまい賠償を請求された
情報漏洩をしてしまい、事態の収拾に大金が掛かってしまった
事業所内で感染症が蔓延してしまい、休業を余儀なくされた
工事中、通行人に怪我をさせてしまった。

これらは高額な出費になり得るケースを一部抜粋したものです。これらはどんな経営者にも起こる事ではありますが、備える事ができる事例とも言えます

さらに、上記は対ユーザーに対するリスクになりますが、実は経営者は経営そのものに金銭的リスクが伴っていることを知っておかなければなりません。

経営における金銭的リスク
退職金の用意・課税・運転資金の捻出・売れ行き不振・債権不履行
業種や経営規模、地域など様々な要素で抱えるリスクというのは変わってきますが、経営者はこれらのリスクを出来るだけ多く見つけ、想定外を無くしていく(リスクマネジメントする)ことが必須の対策事項であり、健全な経営に繋がっていくことになります
ほけんの十勝

企業のリスクマネジメント

リスクマネジメントは4つの段階を踏むことで効果的な成果を上げることが出来ます。

STEP1 リスクの発見・確認
STEP2 リスクの測定
STEP3 リスクの処理
STEP4 結果の検証と改善

STEP1 リスクの発見・確認

リスクマネジメントの第一歩として言えるのが、まずは想定されるリスクを思いつく限り列挙していくことです。筆者の経験から申しますと、どんな業種・規模でも最低10個はあるはずです。

もし10個も見当たらない場合は、少しリスクマネジメントの意識が低いかもしれませんので、もう一度振り返って、考えられるリスクを洗い出してみましょう。そして、それが起こり得た時にカバーできる状態かどうかの確認も行いましょう。

電気工事業の場合リスク例
事例被害相当額
社屋の火災6,000万円〜
社有車の交通事故100万円〜
施工後に発見された瑕疵(かし)1,000万円〜
過労やパワハラによる従業員の自殺5,000万円〜
労災事故による従業員の怪我・死亡1億円〜
工事中に誤って発注者の財物を破損500万円〜
資材の盗難500万円〜
退職金の準備1,000万円〜/人
発注者の債務不履行500万円〜
入札の停止5,000万円〜
保育所・幼稚園の場合リスク例
事例被害相当額
施設の火災6,000万円〜
バスや所有している車の交通事故500万円〜
物の落下や遊具からの落下での大怪我・死亡1億円〜
給食での食中毒500万円〜
周辺住人からの苦情-
悪天候による行事の中止100万円〜
感染症の蔓延10万円〜
スタッフの過労やストレスによる自殺や休職5,000万円〜
おもちゃ等の破損や紛失1万円〜
不審者の侵入-
※金額はおおよその損害額であり、程度や規模により前後します

周辺住人からの苦情や不審者の侵入など、直接金銭的な被害は想定されないリスクも企業の評判低下・風評被害などに繋がり、結果的に経営に悪影響を及ぼしますので、金銭的な被害が出ない場面も出来るだけ多く洗い出すことが大切です。
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STEP2 リスクの測定・リスクマッピング

STEP1で挙げたリスクを「影響度(社会的信用の失墜や金銭的被害)」と「発生頻度」で、一度図で整理してみましょう。

影響度の大きさ

縦軸に、一度発生してしまえば社会的信用の失墜や高額な復旧費用によって会社の存続が危うくなる状況をMAXとした「影響度の大きさ」を設定し、さきほどの電気工事業の例で配置してみたところ、以下のような図になります。

影響度の大きさ

「社屋の火災」は高額な復旧費用と同時に保管していたデータ等を一度に無くしてしまう可能性があるので影響度は甚大と想定できます。
また、従業員の生死に関わる事も高額な費用が必要となるうえ、社会的信用も失墜してしまう甚大な影響となります。
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発生頻度の高さ

次に、条件さえ揃えば今日にでも発生してしまうものをMAXとした「発生頻度の高さ」を横軸にとってみて、上記の例を再配置します。

発生頻度の高さ

「社屋の火災」が発生する要因として挙げられるのが、キッチンや喫煙所での火の不始末、コンセントまわり、機械や配線の老朽化、落雷、放火などでしょうか。

火の不始末やコンセントまわりについては、社内ルールを徹底したり、日常的に意識を向ける習慣を作る事である程度発生は抑えられそうですので、全体の発生頻度はそこまで高くなさそうですね。

逆に、車の事故に関しては、起こす側でも起こされる側としても、いつ起こってもおかしくないと言えますので、日常的に車を運転する限り発生する可能性は高い方だと言えるでしょう。

このように、想定できるそれぞれのリスクを「影響度」と「発生頻度」でマッピングしたものをリスクマップといいます。リスクマップを使えば、可視化させた今後発生しうるリスクをどの順番で処理すべきかがわかりやすくなりますので、リスクマップの作成は非常に重要なステップだと言えます。まだリスクの検証されていない場合は、ぜひ実施してみてください。
ほけんの十勝

STEP3 リスクの処理

リスクマップが完成したら洗い出したリスクをどう処理していくのかを考えます。先ほどの図に、「回避」、「移転」、「低減」、「保有」という4つに区分けしたエリアを作ります。

リスクの処理

それぞれの意味は以下の通りで、STEP2で配置したリスクをどのように処理するかの指標になります。

回避リスクが発生する要因を完全に排除する
移転リスクを保険や他社に転嫁する
低減リスクの発生や影響を抑える
保有対策の費用対効果が薄い場合にはリスクをそのままにしておく

回避

「回避」とは、リスクになる要因をそもそも発生させなくする方法です。

例えば、保育園・幼稚園での「感染症の蔓延」へリスク回避では、登園前に自宅で体温測定や体調の確認を行ってもらい、体調不良が認められる場合には登園を遠慮してもらうというものです。そうすることで、園内に菌やウィルスが持ち込まれる要因の排除する事ができます。

リスクの回避例
□ 情報漏洩対策として、外部インターネットからの接続を遮断する
□ 敷地を関係者以外立ち入り禁止にする。

移転

移転とは、リスクを他社に分割・移転したり、保険等で損害額の充当を行う対策です。ようは自社で全責任を追わない形を取る事です。

例えば社屋の火災の際、社屋が自社所有の物件なら火災保険に加入しておくことで復旧費用の大部分は対処できますね。逆に賃貸だった場合には大家さんへ復旧費用を転嫁できることもありそうです。

リスクの移転例
□ 営業所間の輸送に運送業者を使うようにする。(他社への移転)
□ 社有車全てに自動車保険を掛ける。(保険への移転)

低減

「低減」とは、頻度を下げたり被害額を抑えたりする対策です。

例えば社屋の火災リスクに対しては、日頃から火を扱う時のルールの策定と徹底、定期的な掃除、消火器の設置、避難経路の確保と周知、火災報知器の定期点検などをすることで発生や影響を抑えることができます。

このように対策をとればリスクは制御された状態となり被害発生を抑えていく事ができます。

リスクの低減例
□ 従業員に防災教育を実施する。(頻度の低減)
□ 火災に備えて消火器を設置する。(被害額の低減)

保有

「保有」は、リスクを発見しても頻度や被害額が低いため、費用対効果が少なすぎる場合には、あえてそのリスクをそのまま保有するという方法です。要は、問題はわかっているが“あえて何も対策をしない”という事です。

例えば、店舗内に置いてあった観葉植物1つを移動させようとすると、落として鉢を割ってしまうリスクが同時に発生します。しかし、仮に割ったとしても掃除の手間と鉢代が増えるだけですので被害は大きくないと言えます。

ですので、その為だけにわざわざレイアウトの専門業者を手配し、責任を移転するのも費用対効果が悪く、対応時間としても「今すぐ」という訳にはなりません。こういった時には、あえて対策をせずリスクを許容する選択肢もあるのです。

具体的なリスクの対処

上記のような「移転・低減・回避・保有」と、ステップ2で作成したリスクマップを合わせて考えてみると、以下のようなリスク対策処理表が思いつきます。

リスクの処理
リスク対策処理表
発生頻度影響度処理方法
保有
移転・低減
移転・低減
回避

例えば「社屋の火災」を例にすると、影響度が高く、発生頻度が低いエリアに配置されるかと思いますので、「移転・低減」で処理するのが合理的となるわけです。

しかし、このように机上では理想的なリスクの処理方法がわかっていても、現実的な限界もあります。例えば、パワハラで訴訟されるのを「回避」するためにと全社員を解雇すると、そもそも経営自体ができなくなってしまいますね。また、どれだけ火災に気を付けていようと、社屋に落雷が落ちてしまえば火災は発生してしまいます。

ですので、従業員への賠償責任保険に加入したり、火災保険に加入したりして、随所で保険を利用していくのが正しい選択となってきます。

STEP4 結果の検証と改善

結果の検証と改善

ここまでリスクの認識ができていれば、あとは処理の方法を決めて、実行に移しましょう。そして、本当にそのリスクが制御された状態にあるのか検証していきましょう。

策定した処理方法はきちんと遂行されているのか?そもそも処理方法が間違っていないか?それらは定期的に検証していきましょう。エクセルなどでリスクマップ点検表などを作成し、日常的に内容と具体的な対策処理を確認していくのもいいでしょう。

そして、より良い対策方法が見つかればその都度アップデートしていきます。ルールを作って周知したからもう考える必要はないでは危険です。

「社屋の火災」の例ですと、火災保険の更新時に補償内容を再検討したり、従業員がルールに反して火災に繋がる行動を取ってないかを確認しましょう。

日常的に取り組めそうな事であれば、朝礼の際、社報、定期連絡にて、従業員の目に軽くでも日常的に触れる事で意識は断然変わってくるでしょう。

そして、新たに火災の原因や被害が大きくなりそうな状況を見つけたら、新たにルールを策定してアップデートしていきましょう。

保険の事なら「ほけんの十勝」にお任せください

ほけんの十勝」にお任せください

以上の事をふまえて、リスクを洗い出し、対策をとってなお必要な保険契約を結ぶことは企業にとって必須の対策事項となります。ですので、まずは自社にあった最適な保険に入る事を検討しましょう

「リスクマップを作ってみたけど、ここからどんな保険が適切なのかわからない。」
もちろん、そうだと思います。そんな方に、最適の保険を提案していくのが私たち保険パーソンの勤めですので、ぜひそこからのご案内はお任せください。

また、「リスクマップを作成するイメージがまったく思いつかない。」
そんな方もおられるでしょう。そんな方はぜひ一度、当社に問い合わせしてみてください。お客様の現状をお聞きし、リスクマップの策定から、最適な保険までをきっちりご提案させていただきます。

私たちほけんの十勝では、経営者様や従業員様をあらゆるリスクからお守りするために、一緒に考え、時には提案し、安心して経営できる基盤を作っていきます。

まとめ

企業でリスクマネジメントが不安な方は、まず思いつく限りリスクを顕在化させて、想定外をなくしておく準備をしていきましょう。

そして、顕在化したリスクはリスクマップを元に対処法を作って、それを実行し、その対処法がきちんと機能しているかまで確認していきましょう。

これらが出来てやっとそのリスクは制御できている状況といえます。そのうえで、どうしても解決できそうにない問題に関しては、きちんと保険契約を結ぶようにしていきましょう。